2019-04-14から1日間の記事一覧

宵待草

当夜は待宵である。望月を明日(みやうにち)に扣(ひか)へた月姫は、然(しか)し今宵は何やら機嫌を損ねてゐるやうで、其(そ)の美くしい白肌の顔(かんばせ)を薄雲の簾(すだれ)の奥へと引つ込めてゐる。籤(ひご)の隙間から注がるる彼女の艶(あで…